教育系ライター「たなかくん」です。
子どもたちの成長に寄り添う教員の仕事。
その過酷さは想像以上…。
様々な思いを抱いて教員という仕事に就いたものの、想像以上に厳しい教育現場を経験し、「自分は教員に向いてないのでは…」と感じる方も多くいらっしゃると思います。
実際に筆者自身の話になりますが、小学校の臨時教員として働いていたものの、様々な側面からギャップを感じ、うつ病に近い状態となったことから転職を経験しています。
独りで抱え込まないで!
教員という仕事柄、責任感の強い方も多く、すべての物事に対して一生懸命に取り組まれる一方で、責任感の強さから独りで問題を解決していく傾向にあると感じています。
確かに責任感は人として魅力的な特徴ですが、民間企業と求められる専門性の違いからか、魅力的な特徴でも時として自身を苦しめる要因になる場合もあると考えています。
そこで今回は「教員に向いてないと感じる3つの特徴」を教員の仕事に対して悩んでいる方に向けてご紹介させていただくことで「教員の仕事は自身に適しているのか」と見つめ直すきっかけとしていただくと共に、みなさんが独りで抱え込むことなく、ある意味で相談窓口のような役割として、みなさんをサポートすることができれば嬉しく思います。
向いていない3つの特徴とは
さて、本題に入る前に少し注意事項をお伝えさせていただきます。
あくまでも教員という仕事に
向いていないと感じる特徴!
冒頭でもお伝えしましたように、教員という仕事はその専門性から一般的に魅力的な特徴であっても、時として教員に向いていない特徴となる場合もあると考えています。
そのため「教員に向いていないのでは…」と悩まれている方は決して教育業界の仕事に適性がないわけではなく、魅力的な特徴を持ちながらも公教育である学校教員の仕事には合っていない場合があることを、ぜひともお含みおきください。
3つの特徴はこちらです!
- 優しすぎる
- 気を遣いすぎる
- 責任感が強すぎる
一見すると魅力的な特徴ですよね。
しかし場合によっては、上記の特徴は教員に向いていない可能性があると考えています。
では、ここからは「上記の特徴が教員に向いていないと感じる理由」について公教育である学校教員の役割などにスポットを当てながら詳しく解説していきます。
優しすぎる
さて、まずはこちらの特徴についてです。
教員として働く上で
重要な特徴になるね!
公教育である学校教員は福祉的な側面も兼ね備えており、子どもたちに学習指導を行うだけではなく、情操教育といった道徳心に関する指導なども行っています。
そのため、その手本となる教員のほとんどが思いやりの心を大切にし、子どもたちの成長を願いながら、日々の学習指導や生活指導に邁進されています。
教員には向いてないかも…。
筆者自身、この仕事内容により教職に対して悩んでいた時期もありましたが、公教育である学校教員は民間教育とは異なり、時として叱ることが求められる仕事となります。
これは教育基本法にも記載されていますが、公教育の役割として「自立した社会人に向けて必要な知識や技能を身につけさせるために行われるもの」という役割があり、基本的には、まだ「概念化」していない物事を公教育の現場では学習していきます。
どういうことだろう…?
これは学生時代の教育実習の際に遭遇した出来事ですが、小学校1年生の生活科の授業で、「部屋の掃除をしてみよう」という目標のもと行われた授業になります。
僕たちは日頃、何気なく部屋が汚れていることを察知し、掃除機や雑巾を用いて部屋の掃除を行っていくわけですが、ここで予想外の状況が発生しました。
感覚を持っていない!
この場面に遭遇した際は驚きを隠せませんでしたが、僕たちにとって当たり前となっている「汚れ」という概念ですが、子どもたちにはまだ概念化されておらず、埃がたまっていても部屋の掃除をする意味を見出せず、授業に集中できていない姿が見られました。
このような事例を参考にしてみますと、子どもたちには大人にとって当たり前となっている「概念」が形成されていないことがあり、こうした背景から、子どもたちは時として人命や人権にかかわるような大きな過ちを犯すことがあるかもしれません。
叱ることが求められてくる。
確かに教育の基本的アプローチは褒めることにあると考えていますが、道徳心などが概念化されていない場合は、躾として叱ることが必要になってくると思っています。
ですので、優しすぎる方にとっては指導方法として褒めることはできたとしても、叱ることはできないといった、公教育に対する「教育観の違い」から学校教員という仕事に悩まれている方も非常に多いように感じており、そのため上記の特徴は「教員に向いてない特徴」の代表例であると考えています。
気を遣いすぎる
次にこちらの特徴についてです。
公教育と言えばクラス単位で活動していくイメージがあるのではないでしょうか。
確かに日々の教育活動のほとんどがクラス単位で行われていますが、一方で公教育の重要な視点として学年単位や学校単位といった様々な連携が求められる活動もあります。
また、子どもたちの成長を願う者は教員だけではなく、子どもたちの保護者をはじめとして地域の方々も含まれ、大きなチームとして子どもたちの成長を支えています。
だからこそ教員の仕事は、相手の思いに対して傾聴・共感の姿勢を大切にし、様々な場面において気を遣いながら、コミュニケーションを図っていくことが重要となります。
教員には向いてないかも…。
確かに信頼関係を築いていくために気を遣うことは、教員として重要な特徴となりますが、この仕事の性質上、非常に多くの方とかかわる機会の多い仕事となります。
- 子ども
- 保護者
- 地域の人
- 上司
- 同僚
上記のように、教員という仕事は非常に多くの方とコミュニケーションを図っていくことが求められるため、良しとされる気遣いという特徴も、度を越えてしまうと自身の思いをため込んでしまい、非常にストレスのかかる環境となってしまうでしょう。
また経験則にはなりますが、こうした特徴を持っている方の多くはプライベートにおいても気を遣いすぎる傾向にあるため、家族や友人に対しても本音で話すことができず、ストレスを発散する場所を確保できないことから悪循環に陥っているように感じています。
責任感が強すぎる
最後にこちらの特徴についてです。
その使命感から
多くの教員が責任感を
大切にして働いています!
先ほども申し上げましたが、公教育である学校教員の仕事は自立した社会人に向けて必要な知識や技能を教えつつ、子どもたちの命を預かりながら毎日の教育活動を展開していく仕事になるため、その役割から責任感を持って働くことが求められてきます。
実際に多くの教員が責任感を持って働かれていますが、その背景にはキャリアに関係なく、一人の教育者として子どもたちを引っ張っていくことから、非常に緊張感のある仕事となるため、教育現場には責任感の強い教員が多くいらっしゃるのではと感じています。
教員には向いていないかも…。
これは個人的な価値観になりますが、すべての教育活動は何かしらの意図のもと展開されるものであるため、責任感の強い教員ほど手を抜くことなく日々の教育活動に邁進されているように感じています。
また大小さまざまですが、教員の仕事は学級経営だけではなく校務分掌をはじめとした学校単位の業務も割り当てられており、各教員とも非常に多忙な日々を送っています。
ですので、責任感の強い教員ほど「他の先生には迷惑をかけられない」と考え、独りで責任を負いながら業務にあたるため、ストレスをため込む傾向にあると感じています。
総じて真面目な気がする。
責任感という特徴と近似領域にあると考えている真面目という特徴ですが、特に教員の仕事で悩んでいる方の多くは、この両者の傾向が強い方のような気がしています。
教育業界全般に言えることですが、基本的にこの業界は失敗の連続となります。
- 子どもに思いが伝わらない
- 保護者と意見が合わない
- 教育者と教育観が対立する
ですが、教育活動のほとんどが短期的な結果を図って行われるものではなく、長期的な結果を図って行われるものであるため、ある意味で失敗は重要な結果だと思っています。
このような状況であるにもかかわらず、真面目すぎる教員ほど「自分に非があるのでは」と感じてしまい、時として自らを苦しめる要因になる場合もあるではないでしょうか。
もし、上記の特徴を見ていて「これは当てはまっているかも…」と感じる方がいましたら、要注意ポイントになるかもしれません。
最低限必要な特徴もある
さて、ここまで「教員に向いてないと感じる3つの特徴」をご紹介してきました。
最低限必要な特徴もあります。
先ほどまでの特徴ですが、一般的に魅力的な特徴であっても、度を越すと教員に向いてない可能性がある特徴についてご紹介させていただきました。
しかし、公教育である学校教員の仕事は他の仕事とは異なり、様々な側面において専門性が求められることから、ついつい最低限必要とされる特徴が見逃されがちなこともあるため、注意が必要となります。
- 子どもが好きである
- 挨拶をきちんとする
- 時間をきちんと守る
- 約束をきちんと守る
上記の他にもまだまだ考えられる項目はありますが、要約して考えますと
子どものことが好きで社会人として必要な最低限の常識が備わっている人
といった特徴となるでしょう。
また教員の仕事は
- 多くの人とかかわる
- 失敗の連続である
などの特徴をもっているため「人と話すことが好き」や「常に自分の頭で考える」といった特徴も兼ね備えておくと、教員としての適性があると言えますので、あわせて教員の仕事で悩んでいる方は参考がてら、ご自身の特徴と照らし合わせてみてください。
教員こそ熱意が必要な仕事
今回の「教員に向いてないと感じる特徴」をご覧になって、どのように感じましたか。
様々な項目を挙げさせていただきましたので、もしかすると「これは当てはまる特徴かも」と感じている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
個人的な価値観になりますが、公教育である学校教員の仕事は子どもたちの成長に寄り添うという性質上、適性項目である特徴以上に熱意が求められる仕事だと考えています。
そのため、今回の記事をご覧になって「教員に向いていないかもしれない」と感じている方も、あくまで上記の特徴は「他人による判断基準」であって、それ以上である教育に対する熱意があれば、ぜひとも教員の仕事を続けてほしいと願っています。
向いてないと思うんだ…。
おそらくば当サイトを訪れた方の多くは「教育に対する熱意はあるが公教育である学校教員の仕事を続けるのは辛い」と感じている方が多いのではないでしょうか。
それならば筆者の経験と同様に、民間教育に転職してみるのもありかもしれません。
筆者自身、教員として働いてきた後に民間教育に転職した結果、自分自身のスキル、そして教育観を最大限に発揮し、子どもたちの成長に寄り添うことができました。
もし現在「自分は教員に向いてないのでは…」と教員の仕事に悩んでいる方がいらっしゃいましたら、ぜひ民間教育への転職も検討してみてはいかがでしょうか?
みなさんが笑顔あふれる教育者として働いていけるよう願っています。
では、今回はここまで。
ColorfulEducation運営者:たなかくん