教育系ライター「たなかくん」です。
教育業界は他の業界と比べ、専門性が高いことから「教育業界で働いてみたいと考えているけれど、必要な資格とかあるのかな」と不安になる方もいらっしゃるはずです。
必要な資格もあります。
教育業界には様々な仕事があります。
- 学校教員
- 塾・予備校講師
- 語学スクールの先生
- スポーツクラブの先生
- 資格取得スクールの先生
ですので、場合によっては特定の資格が必要になることもあるので注意が必要です。
では、実際にどのような資格が必要なのか?
今回は「教育業界の資格にまつわる情報」をご紹介し、これから教育業界に転職してみようと考えられている方が、事前に必要な資格やおすすめの資格を知っておくことで、スムーズに転職活動に臨めるサポートすることができれば嬉しく思います。
教員免許は必要か否か問題
教育業界を志望される方の多くが、この問題を気にされているのではないでしょうか。
基本的には必要ない!
ただし公立私立に関わらず、小学校などの学校教育で働きたいと考えられている方は、大学もしくは大学院で必要な単位を履修し、教育免許を取得する必要があります。
ですが、学校教育以外の仕事では「基本的に」教員免許は必要ないと考えています。
「基本的に」というのは、企業の運営方針により教員免許を必須とする場合や、選考基準に教員免許があれば加点を与える場合も想定されるため、このような表現しました。
大きなステータスになるね。
教員免許を取得しているということは、子どもの発達や各教科の指導法など、教育に関するスキルやナレッジを有していることの証明になります。
転職活動では学歴以上にスキルや経験を重視する場合が多く見受けられるため、教育業界の転職を悩んでいる方で教育免許を取得されているならば、ぜひ活用してみてください。
これまでの学歴や取得資格を上手く活用してアピールすることができれば、より一層、自身の目指している教育現場にたどり着ける可能性が高くなるのでおすすめいたします。
教育業界で役立つ資格
これまで教育業界の転職に際して、教員免許が必要か否かについて見てきました。
どうすればいいんだろう?
冒頭でもお伝えしましたように、教育業界には様々な仕事があります。
そのため、それぞれの仕事に応じて教育者が求められるものも異なっていきます。
教育業界で役立つであろう
おすすめの資格を紹介します!
教育業界で仕事はしてみたいものの、どのような教育現場に携わりたいかは決まっていない方は、ぜひ今回紹介する資格をヒントに、自身の目指す方向性について考えていただければ良いのかなと思っています。
それでは見ていきましょう。
心理系の資格
まずは心理系の資格についてです。
どうして心理系の資格なの?
これは個人的な教育観になりますが、教育業界に携わる人は心理学について学び、思いやりの姿勢をもって教育活動に取り組んでほしいと考えているからです。
ただ、心理学にも基礎心理学と応用心理学に分岐し、さらにその下位カテゴリーにも様々な心理学があるため、どのような心理学を勉強すればいいのか選択に悩むところです。
筆者自身の話をさせていただきますと学生時代に教育学部の心理系コースに所属しており、「学校教育に役立つ心理学」として、教育心理学や発達心理学、臨床心理学などを履修し、教育実習や塾講師の経験の中で自分なりのテクニックを磨いてきました。
ただ社会人になって心理学を勉強するとなると、そのハードルが高くなるでしょう。
そこで以下には、社会人になって初めて心理学を勉強される方を対象としたおすすめの資格をご紹介させていただければと思います。
心理学関係の資格は国家資格から民間資格まで非常に多岐にわたります。また民間資格であっても大学や大学院の卒業を条件にしているものも多いのが実際のところです。ですので、ここでは大学等の卒業を条件としない、比較的取得しやすい心理系の民間資格を取り上げさせていただきます。
メンタル心理カウンセラー
こちらは「一般財団法人日本能力開発推進協会」という機関が認定する民間資格です。
カウンセラーに興味がある方の入門編として有名な資格ですが、次の魅力があります。
- 約4万円で資格が取れる
- 自宅で通信講座を受けられる
- 自宅で試験を受けられる
学習範囲としては、心理学やカウンセリングの基礎、カウンセリング技術に関する知識などを学ぶことができます。
ただ注意しなければならない点として、この資格ではカウンセラーの実務経験を得ることができないため、単純に心理学の基本的な知識を得るだけになってしまうことです。
なのでこの資格を取得した際は、日々のコミュニケーションの中で、この資格で得た知識を活用していき、自分なりの経験値として落とし込んでいただければと思います。
特別支援教育士
みなさんは「特別支援教育」や「インクルーシブ教育」という言葉をご存知ですか?
少し専門的な視点が入ってきますが「特別支援教育」とは「障がいのある子どもたちの自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援することを軸として、子どもたち一人ひとりの教育的ニーズを読み取り、子どもたち自身のもつ力を育て、生活や学習上の課題を乗り越えるために行うサポート」のことを指しています。
学校教育以外の教育現場にも
関わってくる重要な視点。
塾や予備校業界を例に取り上げてみますと、数学だけが著しく苦手な生徒がいた際に「どうして数学だけできないの?」と叱る場面は往々にして見られることだと思います。
ただ特別支援教育の視点から考えてみますと、特定の能力を苦手とするLD(学習障害)の可能性があるかもしれないと推察し、その支援方法の幅を広げていくでしょう。
近年、教育業界ではこうした特別支援教育に関するニーズも高まっており、教育サービスを提供する様々な機関で、そのニーズに応えるべく策が講じられています。
特別支援教育士なのか。
先ほどのメンタル心理カウンセラーの資格と同様に民間資格となります。
ですので、教員免許ほどの効力を発揮することはありませんが、教育業界にかかわっていく教育者としてはスキルアップにも繋がりますし、何より、この資格を取得していることで、転職活動に際して大きなアピールポイントになると考えています。
ただ先ほどの資格に対して
- 合計20万円ほど必要
- 連携学会への加入が必要
- 2~3年の期間を要する
- 最後にはテストがある
など少々面倒くさい部分もあります。
ただ4年制大学を卒業していれば誰でも取得するチャンスを得ることができますので、他の心理系の資格と比べてみると、その専門性や難易度は好条件のように感じています。
自分なりの教育観をブラッシュアップしていく中で、もし特別支援教育士の資格が必要だと感じられましたら、ぜひとも資格取得に向けてチャレンジしてみてください。
キャリアコンサルタント
さて、続いてはこちらになります。
近年「生涯教育」や「キャリア教育」という言葉を教育業界では度々耳にしています。
これは「自身のもつキャリア(経験)を活かして、変化の激しい社会の中で自分らしく自立して生活していくためのサポートを行う教育」を指しています。
これも特別支援教育と同様に、今後の教育業界で重要視される教育だと考えています。
見通しをもつことができない
多くの方々のサポートする。
教育現場では、よく子どもたちの夢や目標について相談を受ける機会があります。
しかし、その相談に対して多くの教育者は「自身の属する教育の範囲内」で、悩みや不安の具体的なアドバイスを送る傾向にあると考えています。
例えば、大学受験を控えている生徒から「将来はゲームクリエイターになりたいんです」といった相談を受けたとしましょう。
もし、自身が大学受験専門の進学塾や予備校の職員をしていると仮定して、この相談に対応するならば、おそらく多くの方々が「あなたは理系出身なので工学部に進むのはどうか」、「そのためにはセンター試験で目標点に到達するため、この教科を頑張っていこう」という自身の属する教育(大学受験教育)の範囲内でアドバイスを送るのではないでしょうか。
あまり良くない例だったかもしれませんが、とどのつまり教育業界で働いていくためには、自身の専門領域以外の知識を持っていることが重要になると考えています。
そこで、小学生から高校生を対象とする教育者におすすめするのがこの資格。
キャリアコンサルタントです。
この資格は2016年4月に設置された国家資格で、まだまだ歴史の浅い資格になります。
この資格の活動内容ですが、「クライエント(相談者)の適性やキャリアに応じて将来設計を行い、それに応じた職業選択や能力開発の相談や助言」を行っていきます。
国家資格ということもあり教員免許同様、その資格の専門性や効力は先ほどの民間資格以上のものとなっており転職活動においても非常に重要なアピールポイントになります。
ただこれまでとは異なり、資格取得に向けて難易度はかなり高くなっています。
- 受験資格の条件が厳しい
- 必要経費も約30万円かかる
- 試験の難易度も高くなっている
ですが、今後の競争の激しい教育業界のことを考えると、こうした小学生から高校生までを対象とした教育を超えた知識や技能を身に着けておくのも良いかもしれません。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
最後に、マイクロソフト社公認の世界基準となるパソコン資格の紹介です。
学校教育ではプリントや通信簿作成、発表会などでOfficeを使用することがあります。
その他の仕事でも同様に、資料作成やシフト表などで活用することもあるでしょう。
ただ教育業界の転職を志望されている方で、これまであまりパソコンを使ったことがなく、パソコンが苦手だと感じておられる方もいらっしゃるはずです。
おすすめする、この資格!
日本全国で400万人の方が受験されているなど、30代を中心とした人気の資格となっているため、資格取得に向けたサポートも充実しています。
また度々申し上げますが、転職活動では学歴以上にスキルや経験を重視する傾向にありますので、こうしたパソコンが使えることを証明できる資格をもっていることは、企業との面接の際に、十分アピールできるポイントになります。
- 誰でも受験できる
- 全国各地で受験可能
- 毎月1~2回実施
- 受験料は1万2千円ほど
このように、これまでの資格とは大きく異なり、ハードルも低めに設定されていますので、教育業界の転職を志望されている方で、パソコンスキルに不安を抱えていらっしゃる方は、ぜひ一度こちらの資格にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
転職では資格に関する情報を
ここまで「教育業界の資格にまつわる情報」について見てきました。
今回ご紹介させていただいた資格は、小学生から高校生までを対象とする教育業界の仕事に携わる方を想定したものとなっています。
ただ当然のことながら、教育業界の仕事はこれ以外にも存在します。
- 営業職
- 事務職
- 経営企画
- 経理財務
事務職ならば日商簿記を取得しておく方が有利ですし、経理財務ならば公認会計士や税理士など(まぁ相当難しいわけですが)を取得しておくと有利になるはずです。
またこうした職種以外にも、語学スクールやプログラミング教室などでは、TOEICの点数やP検定などの資格を取得しておく方が有利になってくるでしょう。
企業とのマッチングが
重要になってきます。
企業の求める人材に応じた資格を取得していれば、転職活動の際にも、高評価を得ることができるため自身の希望する教育現場へスムーズに転職することができます。
資格というものは自身のキャリアアップにもつながりますし、何より、自分の目指している教育観に近づくための重要なアイテムとしても役立ちますので、転職の際には、ぜひ資格に関する情報を入手してみてください。
ColorfulEducation運営者:たなかくん